2015年11月19日 院長ブログ
祖母の涙
2015年3月
奈良での修行も終わろうとしていた頃、母から祖母が倒れたとのメールが入った
脳出血だった
84歳の祖母(以前ブログに書いた元気すぎる祖母とは違う母方の祖母です)は何年か前に心筋梗塞を経験してから身体に対し不安はあったものの気力が勝っているような性格だった
左半身麻痺も驚異的なスピードで回復し、家族も退院・帰宅を期待していたが4月に二回目の出血
一度目は祖父と口喧嘩できるまで回復していたが、二回目は出血範囲が広かった
医師からは今までのような回復は見込めませんとのこと
二回目の出血の前日の夜、私の姉が祖母の異変に気づく
呂律が回っていない。どうも気になり看護師に伝え、心配だから泊まりたいと伝えるも許可されず
いつもより夜の巡回の頻度を増やして気をつけて診ますからお帰りくださいとのことだった
その看護師は祖母に対しいつもキツく当たっていたので家族も嫌な印象を持っていた
結局夜中に脳出血。後々調べてみると看護師による巡回はいつもと変わらない頻度だった
後でその看護師は家族に対し「あの時、呂律は正常でした」と言い放った
プロ意識を持ち患者の為にと努力している看護師も私は知っている
鍼灸師だろうが、看護師だろうが、医師だろうが、人間を相手にしていることを忘れてはいけない
人間は死ぬまで意思を持っている
患者さんがたとえ治らず死んでしまったとしても、感謝されるような仕事をしたいと強く思う
それでも苦手な夏を乗り越え、先日、外出許可をもらい、車椅子の状態で祖母が自宅に二時間だけ戻った
今でも自分の痰がなかなか飲み込めず、口から垂れてしまったり、
玄関で祖母は涙した
祖父は花束をわざわざ買いにいき部屋に飾っていた
車椅子に乗りながら家族の会話を聞きながらずっと笑顔でいた
なかなか発語できず、意思は伝わりにくいが、その顔は病院では見せない穏やかな笑顔だった
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