2015年11月09日  院長ブログ

東洋医学で考える月経3

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月経を正しく発生させるための臓腑は何?

 

答えは肝・心・脾・肺・腎すべてである

 

特に関連が強い臓として腎・肝・脾(胃)が挙げられる

 

一つ一つ見ていきましょ

 

<腎について>

 

腎は精(先天のみならず後天も)を貯蔵する働きがあり、生殖発育の根源となる

 

精は血を生じ、血は精に変化することから、精と血の根源は同じで、互いに滋養しあうことにより月経のための物質的基礎となる

 

また腎精が変化した気が腎気であり、腎気の盛衰により天癸の成熟・虚衰が決定される

 

女性は幼い頃から腎気が徐々に成長し、古典では二七(14歳)に達すると腎気が充実し、天癸の成熟が促進され、任脈が通じ、衝脈が盛んになり、月経が毎月起こるようになる

 

月経は腎が主導となって行われていることはとても重要

 

<肝について>

 

肝は血液を貯蔵し、血量を調整する作用がある

 

臓腑により作り出された血は、体中を栄養する以外は肝に貯蔵される

 

その余りが血海に下注して月経となるが、そのためには肝の蔵血機能と疏泄(隅々までスムーズに行き渡らせる)作用が調和していなければならない

 

調和していなければ肝気が鬱結して血脈はスムーズではなくなり、月経に異常を生じる

 

肝気の調和を乱すような原因(主に情志の抑鬱=精神的疲労やイライラ)はある程度コントロールできないと月経も狂ってきてしまう可能性ありということ

 

<脾(胃)について>

 

脾気は運化を主るので、脾気の運行が健全に行われていれば、血は通常のルートを循行するが、脾気が虚弱だと統血できず通常のルートから外れ溢れてしまう(ダラダラと続く少量の不正出血も脾の問題が起きている可能性あり)

 

胃は受納を主り、胃の経絡は下行し、気街穴にて衝脈と会まることから、胃の中の水穀が盛んになると、衝脈の血も盛んになり、血海が満たされ月経が周期的に起こるようになる(無理なダイエットなどで生理が止まってしまうのも、胃の腑が関与していることも考えられる)

 

 

以上が五臓の中でも重要な三つの臓の働きである

 

ここまでくると専門家しかわからないかも(笑)

 

ただ、わかって欲しいのは鍼を持つ以上、とことん生理も病理も東洋医学のモノサシで考えているということ

 

理解できていないのに「これはこういうもんだろう」と言い訳するように逃げたくはない

 

どんどん学んでいきましょ。患者さんのためにも。

 

次回は衝脈・任脈・帯脉と月経の関係について

 

  

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