2015年12月09日 院長ブログ
資格を持つ者の責任
山形県に強い信念をもった歯科医がいるのを知った
その歯科医は患者さんの生涯に渡り口腔の健康を保つために「予防」の啓蒙を理念に日々仕事をしている
痛くなったら行くではなく、痛くならないために行く歯科医師になることを志して
そのため初診患者さんには唾液の成分検査まで行い、徹底的に現状を説明して自分の口腔を知ってもらう
自分の歯を知った上で治療を始め、治療が終わる頃には患者の歯に対する意識も変わっている
嫌がられても信念を変えずにやっていた結果、医院のある市11万人の中、1割が患者という実績をあげている
また治療にもこだわりがあり、コンマ数ミリの違いで歯の寿命が段違いに変わるため虫歯治療にも歯を削る機械は最小限しか使わない
永久歯は削ってしまうとそこから新たに生えてくることはない。全ては未来を見据えての仕事
ほとんどの歯科医院は、進行していく虫歯や歯周病などの現実を目の前にして、病気が生じた結果の修復や処置をすることが歯科医療と考えられてしまうことで本来の歯科医療の目標が見失われているのが現状
しかし本来、歯科医療は口の健康を維持させることで身体の健康につなげ、生活の質を向上するという目標を持っているもの
それを実践するのも「資格を持った者の責任」と話す
こういう本当に患者の一生を考えて自分の信念を曲げない歯科医師に出会ったことがないので新鮮だった
東洋医学では標治と本治という言葉を使い説明される
本治(病の根源を治す・物事の本質)をしていけば自然と標(現れている症状・結果)が現れなくなっていく。ただ、本を治する過程で標(現れている症状・結果)をターゲットとする場合もある
ここで大事なのは治療者が標だけでなく、本を把握しているかどうか
歯科医も本である「予防・歯の病気にならないようにできること」を無視して標である「痛みの除去」だけをしているのはいくら患者さんのためにと思っても実際は無責任
資格を持つ以上、患者さんの一生を守っていくという意志を持たないと
その場の痛みを取るためだけの施術が将来ガタガタの歯を作る原因にもなりうるのだから
鍼灸でも、治療法は違っても治療家それぞれが病の原因(本)を見つめ、嫌がられても予防法、養生を伝えていく事の重要性を感じる
表に出ている症状だけ治めて終わりではあまりにも無責任かと
痛むところに鍼を打ってくれる=いい鍼灸師 ではない
痛むところに打たないという一見不親切な治療が、一番その人の身体の事を考えている治療ということもある
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